“常識”のマニュアルを書き換える:デジタルコミュニティプラットフォームがCOVID-19世代に希望をもたらすには

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“常識”のマニュアルを書き換える:デジタルコミュニティプラットフォームがCOVID-19世代に希望をもたらすには
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この記事は、世界各地及び社会の様々な層から参集したOECDの専門家と先見の明を持つリーダーが、新型コロナウイルス危機に取り組み、今できることと将来の解決策を提案するシリーズの一環として公表されました。この重要な課題に立ち向かうために、分野を超えた専門知識や見解の実りある交換を促進することを目的としており、表明された意見は必ずしもOECDの見解を示すものではありません。

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ポストコロナ禍における私たちyouthの環境は、確実に今までとは異なり、茨の道となるだろう。それまでの「常識」が「常識」ではなくなり、社会全体に漠然とした生存戦略のマニュアルがあったとしたのなら、それが一旦白紙にされたような現状にあると私は考えている。一方で、社会全体の固定概念がなくなったからこそ新しいシステムをノーマライズし、現状を改善できるチャンスでもあるはずだ。

私たち若者社会の窮地をチャンスに変えるために、政府だからこそできることがある。それは、若者世代同士が出会って多種多様な議論を展開できるようなコミュニティプラットフォームを政府主催で構築していくことだ。これは、未知の可能性を持つ将来世代への投資になる。

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未曾有の事態になったことで、世界中の多くのイベントが中止や予定変更をせざる をえない状況となった。確かにいくつものイベントがオンライン化されたが、それでも全体の数は圧倒的に減ってしまっていると感じている。地域格差の激しい国では、イベント1つに参加できるかできないかが「新しい人たちと出会い、交流する」という点において非常に大きな違いを引き起こすのではないか。私が住む日本では、若者の間にある地域間格差が広がったように思う。都市部に住む若者は危機の間でも様々な機会があったが、それ以外の地域に住む若者は、そうした機会を一つ得るためだけにも苦労を余儀なくされている。

これだけ1年間色々なインスピレーションが発生しうる場がなかったことは、若い人たち、とりわけ今後社会によりよいイノベーションをもたらすはずの人たちにとって、何かをスタートするきっかけが与えられなかったのではないかと感じてしまう。だからこそ、政府という広範な地域に影響力を持つ組織が率先して今後のイノベーションの発端の地になりうるコミュニティプラットフォームを作ることで、今までチャンスのなかった人たちが積極的に社会に関わり、それぞれの才能を最大限に発揮できるようになるはずだ。

どんな地域にいる若者でも、新たな興味分野を開拓したい時や深く議論できる仲間と出会いたい時に気軽にそのコミュニティプラットフォームにアクセスするだけで、様々な機会が平等に提供されていて欲しい。そんな社会が広がれば、コロナ禍であったとしても若者が社会に希望を持ちながら生活できると思う。それは同時に、現存するたくさんの社会課題を解決するための第一歩となるだろう。

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そして、この窮地をチャンスに変えるために、私自身はまず身の回りにあることから1つずつ取り組んでいきたいと考えている。自分の力で何が率先してできるのかを考えた時、一番に思いついたのが情報発信だった。

これまでの私は、自らのSNSやプラットフォームを使って自分の考えを示すことを避けていた。トラブルの発生源になると思っていたからである。ただ、今はそのリスクを避けた行動を深く反省し、自分が今の若者社会に必要だと思うもの、変えていかなければならないと思っていることを積極的に発信するように心掛けている。「社会に関心を持って自分の意見を発信することは正しい」ということを、より多くの人に伝えていきたい。

さらに、私は今年の4月から大学に進学するのだが、大学在学中に学生間のコミュニティプラットフォームを自分たちからも作っていきたいと考えている。上からの改革と下からの改革が同時に進めば、より実現性も高くなるうえ、今の社会のニーズに合っていると考える。現在私は全国各地にいる少人数の人々と交流しており、彼らとともにまずは国内におけるコミュニティプラットフォームの土台を作ろうとしている。 

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パンデミックの最中、私たちは現実を受け入れてイノベーションに努めなければならない。環境は整っている。あとは私たち次第だ。

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